繊維~アクリル編~

化学繊維~アクリル編~

 

前回はナイロン・ポリエステルについて説明をいたしましたが、今回は同じ化学繊維であるアクリルについて説明をしていきたいと思います。

 

・アクリル繊維の歴史、作成方法

アクリル繊維は19世紀末に発見され繊維化され、1950年にデュポン社が工業生産を開始しました。ナイロン、ポリエステルとともに三大化学繊維のひとつです。

 

アクリルとは原料となる石油からプロピレンというものとアンモニアを混ぜて、アクリルニトリルというものを合成します。そこに共重合原料が混ぜられ、ポリアクリルニトリルが作られます。このポリアクリルニトリルを紡糸していきます。

糸の工程で巻き取っていくものをアクリルフィラメント、切断したものがアクリルステープルとなります。(主にステープルで利用されることが多いです)

 

 

アクリルの繊維には「アクリル繊維」と「アクリル系繊維」があります。

「アクリル繊維」はポリアクリルニトリルが85%以上でアクリルニトリルを、酢酸ビニルやアクリル酸メチルと共重合させたものです

 

「アクリル系繊維」はポリアクリルニトリルが35%から85%でアクリルニトリルを塩化ビニルや塩化ビニリデンと共重合させて難燃性を持たせたものになります。

 

・アクリル繊維の特徴

アクリル繊維の最大の特徴といっていわれるのは、ウールのようなふんわりとした風合い、軽さ、そして暖かさを兼ね備えているという点です。

化学繊維と聞くといかにもつるつるしてプラスチックのような風合いを想像されるかと思いますが、アクリルはそれこそ天然素材の風合い(特にウール)に近いような繊維になっています。

意外に思われるかもしれませんが、このアクリルのふんわりとした膨らみのある質感はアクリル繊維自体の特性ではありません。アクリルのこの質感は収縮させる繊維と収縮しない繊維を混紡しあって、染色の熱処理の時に収縮させる繊維が収縮し二つの繊維の間にたくさんの空気がはいり、繊維が嵩高く膨らんでこのような風合いになるといった理屈なのです。

 

そのほかの特徴といたしましては

・価格がウールに比べて安価である

・男性回復力が高く、しわになりにくい

・薬品耐性があり虫にも強い

・洗濯しても縮んだり型崩れを起こしにくい

・日光に強いため日干しなども行える

・対候性があるため外気による強度の低下が起きにくい

・そこそこの耐熱性がある

・染色性がいい

などの特徴があります。

 

シワができにくいや、日光に強い、対候性があるなどの衣料品に使われる時にはとてもメリットがあります。またウールは虫にとても弱いですが同じような風合いで虫に強いという点も優秀です。

 

先ほど書いたのはメリットになりますが、デメリットも少なからず存在します。

以下がデメリットになります。

 

・静電気が起きやすい

・ピリングと呼ばれる毛玉が発生しやすい

・ウールと違って吸水性がない

 

吸水性がないのは、ナイロンやポリエステルと同じで化学繊維の特徴とも言えますね。

毛玉はほかの衣類などとこすれたときに生ずることがあるのでアクリル繊維の衣類を裏返して洗濯ネットを用いて選択するのがよいでしょう。

 

 

・アクリル繊維の用途

 

アクリルはどのようなものに使われているのでしょうか?そのウールのような風合いから、ウールが素材として使われているようなものに使われることが多くあります。
ニットやセーター、フェイクファー、カーペットや毛布などが主な製品として使われています。バッグのベルトやパーカーの紐などにもアクリル原料のものは使われたりもします。
近年では動物の毛皮などを使わないようにする、サスティナブルの流れがアパレルでは広まりつつあり、フェイクファーの研究が盛んにおこなわれており、現在ではカシミアやモヘアなどの風合いを再現したアクリル製品も開発されています。

 

このように化学繊維としてのよさとウールのようなふっくらとした温かみのある風合いを兼ね備えているアクリルについて紹介をいたしました。弊社でもアクリルを使ったベルトやテープ、紐などを取り扱っております。

上記のような商品のほかにも綿、麻、ポリエステル、ナイロンの紐やテープ、ベルトなどを取りあつかっております。

数千メートルから数メートルまでの販売をしております。

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