化学繊維?ポリエステル、ナイロンってどんなもの?
洋服やバッグなどの衣料品は生地やテープ、ゴムや紐などによって成り立っています。
それらを副資材と呼びますが、その副資材の素材も様々なものからできています。
例えば綿、麻、絹、ポリエステル、ナイロン、アクリル、牛革、羊毛などなど・・・ここには書ききれないほど多くの素材が存在します。
この中でも綿、麻、絹など自然界に存在する植物や動物を原料に作られた繊維を天然繊維、ポリエステルやナイロンのように石油、石炭、天然ガスなどを原料に合成された繊維を化学繊維と呼びます。
今回はその化学繊維の中から現在では衣料品においてとても多く使用されているポリエステルとナイロンについて説明していきます。
・ポリエステル
ポリエステルとは多価カルボン酸とポリアルコールを脱水縮合してエステル結合を形成させることによって合成されたものであり、1940年代にイギリスで天然繊維に代わるものとすべく開発されました。ポリエステルといっても種類は様々で特徴や用途などが異なります。
・ポリエチレンテレフタレート(PET)・・・ペットボトルの原料になっている素材で、繊維としては衣服に使われているの大部分がこのPET繊維です。耐熱性、強度ともに優れており、軽くて色も染まりやすいもで最もなじみのあるポリエステル素材になります。原料価格も安価です。
・ポリエチレンナフタレート(PEN)・・・PET繊維よりも強度が高く、ガスバリア性、紫外線バリア性が高く、酸素や水蒸気も透過しにくいです。その特性からフィルムなどの用途にも使われることがあります。ポリエステル素材の中でも前述したPETよりもワンランク上の素材として扱われています。
・ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)・・・低温染色性もあるのでポリエステルの中でもさらに染色が容易になってます。ほかのポリエステルの繊維とは違う特徴として、ソフトな肌触りとストレッチ性を持ち合わせています。ニットやスポーツ料品、インナーなどに適しています。また形態安定性もあるので気崩れなどを起こしにくいのも特徴です。
・ポリブチルテレフタレート(PBT)・・・電気特性、難燃性、耐薬品性、耐熱老化性、染色性に優れたいる素材で、主に樹脂などの形で使用されます。ドアハンドルやドライヤー、コンセントのコネクト部分や精密機器などに使われています。繊維としても濡れても性質がほとんど変化しない、染色性が良くしなやかで、様々な耐性がある繊維になります。
・ナイロン
ナイロンとは世界で初めて開発された高分子ポリアミド系合成繊維で、1930年代にアメリカ・イギリスで開発されました。ナイロンの大きな特徴として、摩擦や摩耗に対しての強度が格段に強く、引っ張り強度も強く、しなやかで光沢感があります。ポリエステルほどですがある程度は吸水性や吸湿性もあります。ほかの性質としては
・水をはじく撥水性があり、乾きやすい
・型崩れしにくい(シワになりにくい)
・弾力性が高く、伸縮性に優れる
・染めやすく鮮やかな色合いになり、色落ちもしにくい
などがあります。
ナイロンは主にナイロン6というものとナイロン66というものがあります。
ナイロン6は融点が225℃で木綿のような肌触りと形容されます。用途はバッグのストラップやアウターの生地などに使われ、ナイロン66は融点が265℃でシルクのような肌触りで、ストッキングや車のエアバッグに使われています。ナイロン6でも上記した通り、優れた特性がありますがナイロン66はナイロン6よりも様々な点で優れています。
ナイロン6に比べ、ナイロン66より圧縮に強く、圧縮を受けても回復力があり、融点が高く、浸透しにくいです。また融点が高いという点から熱により強く、摩擦や摩耗に対してもより強い耐性を持ちます。
各素材のメリット・デメリット
ポリエステルとナイロンの特性を説明してきましたが、各素材のメリット、デメリットを衣料品に使用する観点からみていきたいと思います。
メリット | デメリット | |
ポリエステル |
|
|
ナイロン |
|
|
以上がナイロンとポリエステルのメリット、デメリットです。
両者ともに合成繊維ということで速乾性が高い、強度が高い、カビや虫に強いなどの共通したメリットもありますが、強度でしたらナイロンの方が高い、速乾性でしたらポリエステルの方が高いなど同じ特徴の中でも厳密には性質に違いがあります。アパレルの材料として使われる際はその質感や特性、値段なども加味しながら素材が選択されていきます。
下の画像は弊社の商品になります。
左がナイロン、右がポリエステルのコード
ナイロンのテープ。光沢感が特徴。
そのほかにも弊社では天然素材をはじめテープ、紐、ゴムの販売。プリントやジャーガードテープの作成も行っております。
お問い合わせ、ご購入は下のページからお願いいたします